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TOP > クラーク整骨院(厚別森林公園新札幌交通事故治療) 日記 > 月経困難症や子宮内膜症の治療に 生活の質を上げる低用量ピルとは
避妊薬のイメージがネック
■先進国の中で、日本はピルの普及が遅れています。
米国では1960年から使われていますが、日本で認可されたのは1999年、40年遅れです。治療目的で使われ始めたのはさらに遅く、2005、6年ごろから。日本の認可の遅れは、男性が考える貞操概念にあったのではと思います。ちなみに、男性の勃起治療薬のバイアグラは、たった半年で認可されました。
ピルはまだ歴史が浅く、今の親世代が若い頃にはなかった薬。女の子は生理の悩みなどは大体、母親に聞きますよね。すると母親はよく知らないから反対してしまう。祖母の世代はなおさらです。避妊目的でスタートした経緯から、誤解や偏見がある人もいます。
そこが普及しない原因の一つだと思いますが、誰を責める話でもなく、必要なのは正しい理解です。
■低用量ピル(以下ピル)とはどのような薬か?
女性ホルモンの、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が配合された薬です。エストロゲンには、肌や髪の毛、骨、血管をつくるなど、生きる上で大事な働きがあり、「生理が来る=エストロゲンがある」ということ。更年期や閉経以降に骨が弱くなったりするのは、このためです。
生理周期を見ると(表参照)、まずエストロゲンがピークを迎え、排卵が起こります。ここが妊娠するタイミング。その後に出るプロゲステロンは、排卵しない限り出ません。妊娠を継続させるためのホルモンなので、妊娠が成立していないと、出なくなります。
すると、子宮の中で赤ちゃんのベッドとして準備していた子宮内膜が「今回は使わなかったね」と手放される。これが生理です。エストロゲンとプロゲステロンがある状態から、両方ともない状態になると生理が来ます。
どのように作用するのか
■ピルで女性ホルモンの量を調整する。
ピルを毎日毎日飲み続けることで、体がエストロゲンがすでにあると錯覚し急激なピークをつくりません。なので排卵も起きず、妊娠もしません(緊急避妊用ピルと低用量ピルでは、エストロゲンの量が異なります)。ホルモンのアップダウンがないので、生理周期からくる“揺さぶられ感”が無くなるという仕組みです。
■具体的には?
ピルを飲むのをやめると出血する仕組みを利用して、生理不順の人が規則正しい生理を起こせたり、旅行などイベントを避けて自分が希望する時期に生理を起こすことができたりします。
生理前に不調を起こすPMSは、プロゲステロン値が上昇している時期のみに起きるので、プロゲステロンの山をつくらなければ、生理前という時期自体がなくなり、不調を抑えることができます。
ただ、PMSの中でもメンタル症状については、保険適用の第4世代の「ヤーズ」というピルでないと効かないことが多いです。
■保険適用となるのは?
ピルには、エストロゲンの量とプロゲステロンの種類など、組み合わせによってさまざまな特徴があります。
肌荒れとか、毛が濃くなるとか、ヤル気が出なくなるとか、その人のPMSのタイプによってピルを選べる時代ですが、PMSを理由に服用する場合は、保険適用になりません。
保険適用となるのは、生理痛がつらいなど、生理が重い月経困難症と、子宮内膜症です。
自分は保険適用となるのか、どの薬を選ぶのか、婦人科の中でもピルに詳しく、悩みに応じた処方をしてくれる医師に相談することがポイントです。個人輸入などで手に入れるのは、自己判断になるためお勧めできません。
上手に使えば働く女性の味方に
■病院選びのポイントは?
現在、治療のガイドラインでは、重い生理痛には「痛み止めと低用量ピルのどちらを選んでもいい」となっています。まずは病院に行き「痛み止めではなく、ピルでもいいと聞いたのですが……」のような聞き方をしてもらえば、詳しい先生なら、いろいろ相談に乗ってくれます。
■ピルの処方で内診はありますか?
ピルを内服し始めるために必要な情報は、身長、体重、血圧です。生理痛が重ければ、私は原因を探るためエコー検査は勧めます。
処方できるのは、生理が来た10代から50歳まで。飲み続けていれば50歳までOKですが、飲み始めは40歳までが望ましいです。以前飲んでいて止めた場合も、40歳以降の処方スタートはお勧めできません。また、BMI(体格指数)が25を超える人への投与も慎重を要します。
その理由は、副作用としてまれに血栓症を起こす可能性があるからです。また、飲み始めて吐き気や頭痛、体重増加、むくみなどが起こるのはマイナートラブルで、2~3カ月以上服用を続けると解消することがほとんどです。
■毎日飲み続ける必要はありますが、得られる変化は大きいですね。
日本では「自然に逆らわず生理があるのがよい」という考え方がありますが、一生のうち生理周期は約450回、その中で妊娠は多くて3、4回。実は排卵は卵巣にとって結構“大けが”なんです。
排卵の回数が少ない方が卵巣がんになりにくいというデータもあり、必要な時に排卵させ、それ以外はいいのでは、という考え方も今はあります。生理をコントロールしても体への害はありません。
アスリートにはピルを服用し、試合日より前に生理を起こし、体を軽くして臨む人が多くいます。働く女性も、月経トラブルで仕事のパフォーマンスが落ちると悩んでいる人には、QOL(生活の質)を高めるため、ピルを味方にする選択肢もあることをお伝えしたいです。
産婦人科専門医 高尾美穂さん
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