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クラーク整骨院(厚別森林公園新札幌交通事故治療) | 日記 | 答えが出ない事態の中で


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クラーク整骨院(厚別森林公園新札幌交通事故治療)

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クラーク整骨院(厚別森林公園新札幌交通事故治療) 日記

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答えが出ない事態の中で (2021.05.29)


 白か黒かで割り切れないことばかりの未知の経験の連続であるコロナ禍の社会では特に「そうした中ぶらりんの状態を持ちこたえる能力」が大事だと言う。


 
コロナ禍、怒り、焦燥感
 
 この半年くらいで、抑うつ状態、不眠などを訴えて来られる方が、だんだん目立つようになりました。コロナによる、さまざまな状況が原因にあるようです。
 
 ある社会人の患者さんはずっとリモートワークが続くうちに、精神的に苦しくなり、腰なども悪くなったと言います。
 
 80代の患者さんは、昼カラオケのクラスターでコロナに感染し、入院生活が1カ月ほど続く間に足腰が弱ってしまい、リハビリ病院を経て、うつ状態でうちに来られました。
 
 また、ある学生さんは、1年間ずっとリモート授業が続いて対面の講義を受けられず、人とも会えない、クラブ活動もできない中、精神的な不調と不眠を訴えて来られています。
  
 「してはいけない」ということばかり強調され続けると苦しい。「できること探し」の視点が必要だと感じます。
  
  
 若者、特に学生は、頭にきているでしょう。キャンパスにも思うように行けない。就職活動も大変。スポーツも文化祭も、新入生歓迎のイベントも全部ダメ。皆で公園に集まってソフトドリンクを飲むことさえ、はばかられる。やり場のない怒りや焦燥感を募らせていると思います。
 
 しかし、そうした状況をパッと解消するような手は今のところ、見つかりません。ワクチン接種が進むと変わるかもしれませんが、いずれにせよ、粘り強くやっていくしかない。YouTubeを活用した語学の習得、読書、趣味など、一人でもできることに打ち込むのも、一つのやり方かもしれませんが……。



 
ネガティブ・ケイパビリティ

「ネガティブ・ケイパビリティ(負の能力)」とは「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」「性急に証明や理由を求めずに、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいることができる能力」のことです。

 
 通常は、能力(ケイパビリティ)というと物事の処理能力、つまり問題を「解決する」という積極的(ポジティブ)な能力を、私たちは想像します。しかし、「ネガティブ・ケイパビリティ」は、難しい問題に拙速な理解で解決方法を見つけた気になるのではなく、解決をいったん棚に上げ、より発展的な深い理解に至るまで、じっくり模索し続ける――そうした“中ぶらりんの状態”を持ちこたえる能力です。
 
 なぜ、この概念が大事なのかというと、現実社会も人間も、その実像は「どうにも答えの出ない」ことばかりだからです。
 
 人間は、そうしたあいまいな状態に耐えるのが苦手です。「白か黒か」という両極端の二項対立で、はっきりした端的な答えを求めたくなります。
 
 ところが、実際の現実というものは「白」と「黒」との間にある、「灰色」ばかりのはずなんです。だから、単純明快で手軽な解答というのは、何か薄っぺらで、ともすると物事の理解が「分かったつもり」の浅いところにとどまってしまいます。腰を据えないと、そうした灰色のところにある問題を、きちんと見据えていくことはできないからです。
 
 性急な“解決”を棚上げすれば、じっくりと周りを見る余裕も出てくる。先入観も取り払われる。そうすると、いろんな人の、いろんな発言に左右されることもなくなります。
  
 
ありのままに受け入れる
 
 どうすれば、この能力を身に付けていくことができるのかとよく聞かれることですが、「どうすれば能力が身に付くか」と考えること自体が、分かりやすく安易な“解決”を求める姿勢につながってしまうかもしれません。この概念は、頭の片隅に置くだけで十分。それだけで、気持ちが楽になるように思います。
 
 例えば、私が精神科医として、患者さんを「こうしたい」と思っても、その通りにいかない場合が少なくありません。また、患者さんも人それぞれなので、仮に他の患者さんと似ている面があったとしても、その経験をそのまま当てはめて応用できるわけではありません。
 
 人間において、教科書的な理解は、やはり表面的な理解と言わざるを得ず、それでは、患者さんの奥深いところに入っていくことはできないのです。
 だから、常に、先入観のない“純な心”で、目の前にいる生身の患者さん個人と相対し、対話する。「よく、めげずに頑張っておられますね」と、病に向き合っている姿をねぎらう。精神科医がそうした感嘆の声を発していると、患者さんは力を得て、自身の回復の道を自分で見いだしていきます。また、そうやって患者を診ながら、精神科医も陶冶されるのです。
 
 他者が欲することに力を添え、肩を貸し、ねぎらいの声を掛ける……そうした中で、ネガティブ・ケイパビリティが育まれていくのだと思います。

 人が「現実に耐える力」を発揮するためのポイントとして、目薬。日薬。口薬。
 この三つが大事です。
 
 「目薬」とは、他者の見守りの目です。あなたの姿を私は見ていますよ、という眼のことです。これがあれば、苦労している人は、その苦しみに耐えられるものです。
 
 また、「目」から棒を一本引くと「日薬」です。時間をかけるということです。何事もすぐには解決しませんが、何とかしようとしているうちに、何とかなっていくものです。
 
 さらに、棒を一本引けば「口薬」です。「よく頑張っておられますね」という称賛や、ねぎらいの言葉です。
 
 この三つで、患者さんは立ち上がる。これが精神科の臨床の極意だと思っています。それは、人をありのままに見つめ、受け入れるということです。
人は入院すると「患者」という言葉でくくられてしまうが、一人一人の人間は、そういうレッテルでくくれない、それぞれ固有の存在なのです。
 人間をそう見ていく力がネガティブ・ケイパビリティです。
 
 私たちの現実は、「白か黒か」と二分できないことばかりです。それなのに簡単に白黒をつけてしまうのは、その「間」にあるものを見逃す、非常に表面的な思考だといえます。だから、その「間」を見つめるために、「答えのない事態」に耐えるネガティブ・ケイパビリティが大事なわけです。
 
 
作家・精神科医 帚木蓬生さん

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