活性酸素・温熱療法・ファシアに特化し、交通事故をはじめ痛みからの解放と生涯歩ける身体に整えます
TOP > クラーク整骨院(厚別森林公園新札幌交通事故治療) 日記 > 感染症とミトコンドリア
人体は全細胞にエネルギー工場を持つ
ウイルスに立ち向かう免疫機能の鍵
新型コロナウイルスによる感染を抑え込む免疫の鍵として、細胞小器官のミトコンドリアの役割が注目されている。
感染拡大が止まらない新型コロナウイルス。この対策の切り札として注目されるワクチンの先行接種が、今月17日から医療従事者に対して始まった。
ただ、このワクチンが全ての人に行き渡るためには、まだ時間がかかることが予想される。だからこそ、今、重要なことは、一人一人が身近な人を思い浮かべ、“もしあの人が感染してしまったら”と思いを働かせながら、「感染しない、させない行動を取る」こと。そして、「たとえ感染したとしても、重症化しない身体をつくる」ことであろう。そのためには、一人一人の免疫力が鍵となるが、最近の研究で、その免疫系と関係すると指摘されているのが「ミトコンドリア」である。
ミトコンドリア
私たちの細胞の中に存在する細胞小器官で、「エネルギー生産工場」である。
エネルギーは、生命活動を支える源である。私たちが、考えたり、動いたりするためには、エネルギーは欠かせない。体内でも、細胞が壊れた時の修復作業や、新しい細胞を作るために、エネルギーは欠かせない。
そのエネルギーの9割以上が、このミトコンドリアから生み出されており、それぞれの細胞には、エネルギーを使う部位に応じて、ミトコンドリアが多数存在する。
このエネルギーについて、より化学的に言えば、ミトコンドリアは、私たちが呼吸によって取り入れた酸素を用いて、私たちが食べた食事に含まれる糖や脂肪、タンパク質を分解し、ATP(アデノシン3リン酸)という物質を作り出す。
ミトコンドリアは、1日にこの作業を数百回も繰り返し、一説には、1日に人間の体重相当のATPを作ると考えられている。このATPが、それぞれの細胞が働くのに必要なエネルギー源となるのである。
ミトコンドリアのエネルギーは、免疫機能とも密接に結び付いている。免疫系をつかさどる免疫細胞の生成にはエネルギーが必要だからである。つまり、ミトコンドリアの力によって免疫細胞が作られ、さまざまな病気に立ち向かうことができるのである。
最近では、こうしたエネルギーをつくる働きに加え、ミトコンドリアが免疫細胞を増殖させたり、暴走を抑えたりするための伝達物質を出していることも分かってきた。今回の新型コロナウイルスによる重症化は、身体を守るはずの免疫系が暴走し、正常な細胞を傷つけてしまう「サイトカイン・ストーム」という現象によって引き起こされている症例も少なくないが、こうした暴走を抑える鍵となるのがミトコンドリアである。
一方、哺乳動物のミトコンドリアには、新型コロナウイルスのようなRNAウイルスに感染してしまうと、ミトコンドリアがそれを検知してウイルスへの免疫応答を弱め、ウイルス感染を進めてしまう側面があることも明らかになりつつある。
アクセルとブレーキの両面があり、複雑だが、ミトコンドリアには、免疫系を働かせる役割がある以上、ミトコンドリアを活性化させることが、ウイルスに立ち向かう上で大切であると考えている。
元々は別の生き物だった人間の原始細胞とミトコンドリア
生命には共生の力が
陽光が降り注ぐ公園で憩う人々。日光浴は、体内時計を調整し、皮膚でのビタミンDの合成を促すことが知られているほか、ミトコンドリアの活性化にも関係する可能性がある。
どうすれば、ミトコンドリアを活性化できるのか。
分かっていないことも多いが、強いて言えば、ストレスをためないことである。
私たちは、高温・多湿・寒冷・騒音・異臭などの物理的なストレスや、職場・家庭・地域などの人間関係による心的ストレスにさらされているが、そのストレスが強くなると、ミトコンドリアに障害が起こると指摘されている。
一般的にも、ストレスは、ホルモンバランスを崩し、免疫力を低下させることが分かっている。
さらに、口の中は通常、唾液がサラサラとした状態で、入ってきたウイルスも流されてしまうが、ストレスがかかるとコルチゾールという成分が増えることで唾液がネバネバし、口の中にウイルスが滞留してしまうことで、感染する確率も上がってしまう。
いずれにしても、感染症に立ち向かうためには、ストレスは大敵である。
このストレスに立ち向かう方法として、心理学では「立ち止まる」「自分の内外の状況を見つめる」「気づきを得ていく」「選択する」「乗り越えて成長する」といった点が提案されている。要は、ストレス源に気づくことが克服への重要なステップということである。
また、運動も重要である。身体を動かして多くのATPを消費すると、ATPが不足するが、そうなると細胞は「ミトコンドリアを増やせ」という指令を出すことが分かっており、これがミトコンドリアの増加につながるのである。
その上で、私は、日中に自然の中で身体を動かすことが大切だと考える。
私は、細胞に低出力レーザーを照射した際のミトコンドリアの変化を研究してきた。これはヒト由来の脳腫瘍細胞を用いての実験だが、緑色光の照射では、特にミトコンドリアが分裂して増えるという結果を得た。これが脳腫瘍細胞ではなく健常な細胞でも起こるとすれば、ミトコンドリアの活性化に関係している可能性がある。
緑の光に包まれた森林浴は、ストレス解消、免疫力の向上などに効果があるとの報告もある。
さて、このミトコンドリアは元々、生命が誕生した時代、私たちの祖先である原始細胞とは別に存在し、それが進化の過程でその原始細胞の中に入り込んだと考えられている。これは、「細胞内共生説」と言われ、ミトコンドリアは原始細胞のものとは別に、独自の遺伝子を持っていることが、その根拠とされる。
私たち一人一人の人間は、37兆個ともいわれる細胞から成り立っているが、こうした進化を遂げることができたのも、莫大なエネルギーを生み出してくれるミトコンドリアのおかげである。
この共生という観点は、ウイルスについても言える。
人間の全遺伝情報(ヒトゲノム)の4割はウイルス由来といわれ、哺乳類が保有する「胎盤」は、ウイルス由来の遺伝子による進化で獲得したものである。母親の体内では、ウイルスの関与によって形成された膜が胎児を包み込むことで、外敵から守られ、私たちは生を受けることができた。
私たちの祖先になる原始細胞は、ミトコンドリアと共生し、さまざまなウイルスが持つ機能を取り込むことで、進化を続け、環境の激変を乗り越えてきた。その結晶が、今の人類なのである。
また、このミトコンドリアは好気性、つまり酸素を好む性質を持っているが、私たちの祖先の原始細胞は嫌気性、つまり酸素が苦手な性質を持つものであった。
好気性のミトコンドリアと共生することで、私たちの細胞は酸素のある環境に適応することができ、さらにはミトコンドリアというエネルギーを与えてくれる存在があるから、今もこうして生きることができるのである。
医学博士 木暮信一さん
#整骨院#厚別区事故#交通事故対応#労災対応#六層連動操法#温熱療法#活性酸素除去療法#新型コロナウイルス不活化空気清浄#クラーク整骨院