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嗅覚の喪失、味覚の変化、運動障害、頭痛や下痢、嘔吐など、さまざまな症状を引き起こす新型コロナウイルス。このウイルスは、人間の細胞膜の表面にある「ACE2」というタンパク質と結び付くことで、細胞の中に取り込まれることが分かっている。
ACE2は、血管の収縮に関係しており、血流や血圧の調節に重要な役割を果たす。ここにウイルスが感染し、細胞内で増殖すると、本来の細胞が持つ働きが阻害される。例えば、感染者が重度の肺炎を引き起こすのは、肺の細胞表面にACE2が多く発現していることが一因と考えられている。
実は、5~7メートルにも及ぶ人間の小腸と、約1・5メートルといわれる大腸の上皮には、ACE2が多く存在しており、一説には肺の300倍との報告もある。こうしたことが、腸の炎症や下痢を引き起こす原因になっているのであろう。
今回の感染症の始まりは、動物から人にうつったことと指摘されている。それは、新型コロナウイルスを持つ動物を、人間が食べたことが原因だといわれるが、体内では、腸のACE2を介して感染した可能性が高いと考えられている。新型コロナウイルス感染症と腸の関係は、今後、ますます注目されていくと思う。
腸は感染症に立ち向かう最前線
そもそも、感染症に立ち向かう上で、腸の役割とは何か――。
まずは、「免疫の最前線」という点である。
私たちが口にした食べ物は、胃と腸で消化され、最終的な栄養分は、腸から体内に吸収される。口にした時点で“体内に入った”とも捉えられるが、実際に体内に吸収するのは、腸である。
この吸収の際、赤痢菌、コレラ菌といった病原性細菌やウイルスが侵入してしまえば、人体に悪影響を及ぼす可能性がある。だからであろうか、さまざまな外敵と戦う免疫細胞の実に7割は、腸で作られている。いわば、ここが免疫の最前線なのである。
そして、この腸と協力し、外敵から守る働きをするのが、腸に常在する腸内細菌である。
一説には1000種類、100兆個ともいわれる腸内細菌が生息し、丸いものや棒状のもの、連鎖状のものなど、種類ごとにまとまっている様子は、まるでお花畑のようで、これらは腸内フローラと呼ばれる。
大きく善玉菌、悪玉菌、日和見菌の三つに分類される腸内細菌は、私たちが口にした食べ物の分解を手助けし、そこから栄養を吸収して生きている。栄養が吸収されてしまうと、腸にとっては、メリットがないように思えるが、そうではない。腸内細菌は、人体に悪影響を及ぼす外敵を監視し、時には免疫細胞に“敵が来たぞ”と知らせながら、協力して外敵と戦っている。また人間が合成できないビタミンは腸内細菌が作り、私たちはその恩恵を受けている。
腸内フローラは、臓器と同じくらい重要であり、腸内フローラに異常があると、免疫細胞にも大きな影響を与え、感染症にかかりやすくなることが分かっている。
腸内細菌の存在も、感染症に立ち向かう上で重要なのである。
また、腸の役割で注目すべきは、「第2の脳」という点である。
「第2」と言うと、“脳より下”と思うかもしれないが、生命の進化では、最初に腸が生まれ、その腸が進化して脳が生まれたとの説があり、腸は“脳の生みの親”とも指摘される。
脳だけで生きている生命は、存在しない。一方、この世には、脳がなく、腸だけで生きているヒドラのような生命体がいる。
腸には、脳のように神経細胞が張り巡らされ、脳の指令がなくても“自分で判断し、自分で動く”ことができる。それが「第2の脳」と言われるゆえんである。
脳と腸には、共通点が多い。
例えば、味覚を感じる細胞は、舌のほか、脳と腸にも存在している。私たちが食べ物を口にして“おいしい”と感じる時、舌で感じた信号が脳に伝達され、幸福感が得られると思うかもしれないが、実は、腸も“その味”を感じていると考えられている。
また、脳と腸で使われる伝達物質も近い。その一つがセロトニンで、脳ではストレスを緩和し、幸福感をもたらすが、それに加えて腸では、食べ物を消化液と混ぜ、吸収しやすいように変えるための腸管を動かすために使われる。
脳と腸は互いに伝達物質をやりとりすることが知られており、体内のセロトニンの9割が腸、厳密に言えば腸クロム親和性細胞になるが、そこで生成される。これは、ACE2との共同作業で生成されると考えられている。
私たちは今、新型コロナウイルスに感染しないよう、マスク着用などの対策を取っている。それは脳で考えたことであろうが、もしウイルスを体内に取り込んでしまったら、どうだろう。
ある時は免疫細胞を活性化させてウイルスと戦い、そして、ある時は腸管を通って下痢を起こし、病原体を体外に排泄することを“自分で判断”してくれる腸の働きは、「超」大事なのである。
腸内環境を整える方法
腸内環境を整えておくことが、感染症に立ち向かう力となる。
では、私たちには、そのために何ができるのか。
一つ目は「食事」である。
免疫細胞はもちろん、腸への病原体の接近を防御する粘液などは、私たちの食べるものから作られる。だからこそ、そうした材料となる物質を多く含む食品を選んで食べることが、腸内環境の機能を高めることにつながる。
例えば、ヨーグルト、納豆などの発酵食品には、乳酸菌やビフィズス菌など、免疫細胞を活性化させる善玉菌が含まれている。また、これらの善玉菌を腸内で育てる食物繊維、オリゴ糖などの摂取も大切である。
最近の研究では、新型コロナウイルスの感染者には、腸内の善玉菌が不足していることが分かっている。善玉菌の数や種類を増やすための食生活を心掛けることは、重要なのである。
さらに、腸の動きやストレスの緩和、幸福感と関係するセロトニンの材料となるのは、必須アミノ酸であるトリプトファンだが、これは、カツオやマグロ、牛乳、ダイズなどに多く含まれる。ともあれ、そうした食品をバランス良く摂取することが大切である。
二つ目は「運動」である。
私たちの身体を構成する細胞は、酸素のある条件下で初めて生命活動ができる。だからこそ深呼吸で新鮮な酸素を取り込んだり、適度な運動によって血流を促進させ、全身に酸素を巡らせたりすることが大切である。気持ち良いと感じるくらいの運動は、自律神経にも影響を与え、腸の活性化にもつながることが知られている。
三つ目は「睡眠」である。
睡眠不足は体内時計を狂わせるだけでなく、自律神経の働きを乱し、腸内環境にも悪影響を与えることが近年、分かり始めてきた。腸内細菌は、私たちの睡眠中に活発に動くことが知られており、睡眠も大切な要素となる。
四つ目は「心の安定」である。
日光浴をしたり、気心の知れた友と会話したりして心が安らぐと、脳ではセロトニンが分泌される。脳と腸は互いに連携しているので、人生の充実感となるだけでなく、腸内の動きを活性化させることにつながる。
また、たとえ身体に良いからといって、同じものを食べ過ぎると、かえって毒となる。寝過ぎも生活リズムを崩す原因となる。
①調食(食べ物の質と量を調整する)
②調身(散歩、体操、運動をする)
③調息(呼吸を調える)
④調眠(睡眠、生活のリズムを調える)
⑤調心(心を調える)
ここに、今回のコロナ禍に立ち向かう鍵があると思う。
麻布大学 鈴木潤名誉教授
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