活性酸素・温熱療法・ファシアに特化し、交通事故をはじめ痛みからの解放と生涯歩ける身体に整えます
TOP > クラーク整骨院(厚別森林公園新札幌交通事故治療) 日記 > 「できないこと」より「できること」を前向きに,感染防止対策を習慣化する
共同通信社が10日に発表した世論調査では「新しい生活様式を採り入れたい」との回答が86%に上りました。多くの人が、前向きに「新しい日常」に取り組もうとされています。その一方で懸念されているのが、感染者や医療従事者、営業している飲食店などへの中傷行動です。一見、冷静な判断を失っているような中傷行動は、どうして起こってしまうのか?
一概には言えませんが、次の三つの心理的要因があると思います。
一つ目は、ストレスのかかった状況にあると攻撃性が高まってしまうということです。精神分析学者のフロイトや動物行動学者のローレンツらによれば、そもそも攻撃行動は、人間が生存するための必須の本能であるともいわれています。今回の長い自粛要請による不自由さ、感染への不安などのストレスが攻撃性を高めていることは容易に想像できると思います。その攻撃対象が他人に向かえば、激しい言動になるということです。さらに言うと、自分に向かえば過度な不安状態に陥ると考えられます。
二つ目は「自分は自宅待機しているのに、なぜ、あなたは外出しているの?」「自分は我慢しているのに、なぜ、あなただけが得をするの?」といった心理です。日本は欧米諸国に比べ、社会・地域における人々の信頼関係(ソーシャル・キャピタル)が強いのが特徴です。この「助け合い」の精神が強ければ、人々の連帯を促進し、あらゆる困難を乗り越える力になります。一方で、この副作用についても正しく認識しておく必要があります。
日本には「当然、皆、自粛するよね?」という空気があります。これは、地域住民が相互に監視し合う「インフォーマル(公的でない)」な統制で、“ただ乗り”を許しません。このような自粛の状況で誰かだけが得をすることを許さない雰囲気になるわけです。
それによって、外出・出勤せざるを得ない人、店を営業せざるを得ない人らが「自粛せずに自分だけ好きなことをしている“ただ乗り”の人」と一括りにされ、厳しい目が向けられます。これは、「感染した人が悪い。自業自得」という風潮も生んでしまいます。
三つ目は、新型コロナウイルスの感染確率を“あるか、ないか”の二択で考えてしまう心理です。ネガティブ(否定的)な感情はポジティブ(肯定的)な出来事が起こる主観的確率を低めるとの研究もあります。
例えば、政府が示した基準などに沿って営業する飲食店で食事をする場合、感染する確率は低いのですが、もちろん「0」ではありません。感染の確率を二択で考えてしまうと、少しでも可能性がある場合、あたかもリスクが「100」に近いかのように感じる心理が働きます。そうなることで自身の恐怖心があおられ、排除・攻撃の方向に傾いてしまうのです。
ここでは3点を挙げましたが、まずは、誰にでも、冷静な判断を失ってしまう傾向があることを認識することです。中傷行動は、誰のためにもなりません。こうした非難が繰り返されると「症状があっても伏せておこう」「行動履歴を明かさないようにしよう」と判断する人が増え、結果的に、感染経路を追えないなど、感染拡大防止を妨げます。やはり大切なのは「正しい情報」を基に「正しく恐れる」ことです。冷静に判断し、賢明な行動をとっていきたいと思います。
私たちは今、この感染症をどのように捉えていくべきでしょうか?
新型コロナウイルスに感染したことを「自己責任」にさせないことが重要でしょう。これは、貧困や障がい者への差別・偏見にも通底します。
新型コロナウイルスは未知の感染症です。誤解を恐れずに言えば、誰しも感染する可能性がある。また、すでに無症状感染者である可能性もあります。感染はもはや誰の責任でもありません。ゆえに、感染してしまった人を非難するのではなく、そこから先のことに目を向け、その人の命を守る。感染を広げないために、周囲も共に努力していく。こう捉えていくべきではないでしょうか。
抗体検査、抗原検査なども“見えない恐怖”を軽減するために有用かもしれません。しかし、抗体などの有無によって新たな差別や分断を生み出しては本末転倒です。この点も注視していく必要があります。
また、医療崩壊を防ぐことも、経済活動を回復させることも、命を守るために欠かせません。医療と経済が対立するようなことがあってはなりません。あらゆる人が「一人の命の大切さ」に目を向け続ける日常を築く時であると思います。
新型コロナウイルスと「共に生きていく」という視点が注目されています。そうしたことも含め、「新しい日常」を充実させるポイントは何でしょうか?
「新しい生活様式」については、「こんな細かいことまで指示されたくない」などと考える人もいるかもしれませんが、感染拡大防止には不可欠なことですし、前向きに捉えていくべきだと思います。
行動経済学の理論に即せば、人の選択は、設定された初期値(デフォルト)に強く影響を受けます。例えば、多くの人は、パソコンやスマートフォンの初期設定をほとんど変えません。それでも、十分に使いこなすことができます。一方で、その設定を変更し、より自分に合った使い方を工夫する人もいるでしょう。「新しい日常」を模索していくこともまた、“初期設定”の変更といえます。
今後、都市部と地方、また緊急事態が続く地域と解除された地域などで、方針や要請が変わってくることが予想されます。さらに言えば、医療従事者や飲食店の経営者、1人暮らしの方など、個々人の状況によって生活様式が「違う」ことは当然です。
だからこそ「新しい生活様式」を前提としながら、それぞれの状況に合った「新しい日常」を築くことが重要ではないでしょうか。皆が「違う」ことが当たり前に受容され、尊重される社会は、きっと豊かな日常をもたらすはずです。
東京医科歯科大学 藤原教授
#交通事故対応#労災対応#自粛ストレス対応#オキシトシン効果#六層連動操法#温熱療法#活性酸素療法#クラーク整骨院