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「オープナー」という新戦術も
海の向こうのベースボールは確実に進化している。近年話題になっているのがフライボール革命だ。「ゴロを転がせ」と指導された野球少年は多いと思う。しかし、MLB(米大リーグ)では、「フライを打て」と言われているのだ。
専門家が打球速度と角度を分析したところ、打者が好成績を残している「バレルゾーン」の存在を発見。打球速度が158キロ以上、角度が30度前後の打球は約8割がヒットになり、その多くがホームランになっているという。ゴロよりもフライの方がヒットになる確率が高いのは、統計学に基づくセイバーメトリクスでも立証されている。
この“新常識”を積極的に導入したヒューストン・アストロズは2017年に球団初のワールドチャンピオンに輝いた。日本のプロ野球では柳田悠岐(福岡ソフトバンクホークス)がバレルゾーンを意識してフライを打つ練習に取り組んでおり、「ゴロを打つなら、三振の方がいい」と語るほど。日本でもフライを打って、ヒットを増やす理論が普及しつつある。
ピッチャーも近年は球速以上に「回転数」が重要視されている。MLBではストレートであれば分速2100回転が平均値。これを上回ると、「伸びのあるボール」となり、バッターが打ちづらくなる。
継投策でもMLBでは昨季から大胆な戦術が用いられるようになった。
最終イニングを任せる投手を「クローザー」と呼ぶが、その逆の発想で、タンパベイ・レイズは最初の1~2イニングを投げる「オープナー」を登場させて、チーム防御率を大きく向上させている。
その理由は主に2つある。失点率が最も高い1回での全力投球が可能になり、失点が少なくなったこと。また従来でいう先発の役割を担う2番手ピッチャーは、比較的投げやすい打順からスタートを切れ、かつ上位打線との対戦を減らすことができることなどだ。
球数制限をめぐる議論が激化している高校野球でも、オープナーを活用するなど、投手に優しく、統計学的にも意味のある新戦術を考えていただきたいものだ。
スポーツライター 酒井政人