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包摂的な環境は日本全体のプラスに
秋の臨時国会では、政府が最重要法案と位置付けている入国管理法改正案が一つの柱になっています。政府は新たな在留資格を作り、外国人労働者の受け入れを拡大するのが狙いのようです。しかし、実際には労働者だけでなく家族も伴って来日しますので、その意味で同法案は実質的な“移民開放法案”ともいえると思います。
多くの外国人を受け入れることで日本社会に多様性が生まれ、“違い”を力に変えていけるのであれば望ましいでしょう。ただその一方で危惧しているのは、外国人労働者の家族を受け入れる環境が十分に整っていないことです。
私どもが運営する都内のある保育園では、12人中7人が外国人の子どもです。子どもやお母さんの中には、日本語や英語がおぼつかない状態の人もいます。習慣風俗の違いから日本での生活に困惑する人も少なくありません。そうした人たちは行政サービスにたどり着きにくく、結果として支援の枠組みから漏れてしまったり、地域コミュニティーに属せずに孤立しやすくなったりします。
そこで一つの手立てとして提案したいのが“保育ソーシャルワーカー”の設置です。現在、私どもの園でも自主的に設置し、保育士が子どもに目を向ける一方で、保育ソーシャルワーカーには、親の支援に当たってもらっています。
今、日本が欲するのが、たとえ「労働力」だったとしても、その前に、その労働者は私たちと同じ「人間」です。そこが現在の受け入れの議論から抜け落ちているように感じてなりません。本来であれば日本人と同じように医療や教育、社会福祉を受けられるようにするのが望ましいと思います。
かつてヨーロッパが労働力として外国人を受け入れ、社会不安を招いた移民政策の失敗を教訓として、日本は初めから包摂的な環境整備をしっかりと行っていくべきです。それがあってこそ、日本に来た外国人が日本のことを好きになり、多様性によるプラス効果が発揮されるのではないでしょうか。また、そのように日本社会をアップデートしていくことは、外国人だけでなく、貧困世帯や養育不全の家庭など、子育ての多様な課題にも対応し得るものであり、真の共生社会の実現に寄与するものだと思います。
(認定NPO法人フローレンス代表理事 駒崎弘樹さん)