クラーク整骨院（厚別森林公園新札幌交通事故治療） | 日記 | コロナ、長引く後遺症

倦怠感や認知機能の低下など



 
　新型コロナウイルスに感染した後の長引く症状に悩む人は、依然として多い状況です。特に、日常生活に支障が出るほど倦怠感がひどい場合は、原因がはっきりせず、治療方針も定まっていないため、深刻です。こうした後遺症にどう対応すべきなのでしょうか。

1割に残る症状　WHOも21年に定義

　愛知医科大学の馬場研二特命教授の集計では、2021年4月から22年9月までに同大学のコロナ後遺症外来を受診した約730人の患者の症状は、上位から倦怠感や疲労感が50％、嗅覚障害が34％、呼吸困難や息切れが31％、味覚障害が27％などです。半数が倦怠感や疲労感に悩まされています。
　名古屋大学病院で総合診療部の教授を務めた伴信太郎氏によると、発熱やせきといった新型コロナ感染症の急性期の症状は通常2週間で改善しますが、症状が長引いたり、いったん治っても再発したりする患者が少なくとも10人に1人はいます。感染後1カ月たっても症状が残る人の3分の2は、感染3カ月後までに改善します。
　長引く症状は世界的にも問題になっています。世界保健機関（WHO）は、21年10月にコロナ後遺症の定義を「感染後3カ月以上経過して、なおさまざまな症状が2カ月以上続き、ほかの病気の診断が当てはまらない場合」と定め、多くみられる症状として「倦怠感や呼吸困難、認知機能の低下」を挙げました。

国内で30万人以上　免疫異常の可能性

　こうしたコロナ後遺症のうち、10％程度が「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群（ME/CFS）」の診断基準を満たすことが海外で報告され、注目されました。
　ME/CFSでは、健康だった人が突然、原因不明の激しい倦怠感に襲われ、体を動かせないほどの疲労が6カ月以上続き、日常生活に支障が出ます。学校や職場に行けなくなり、10年以上も症状が続くこともあります。
　かつては慢性疲労症候群（CFS）と呼ばれていましたが、「疲労」という言葉で、“疲れがたまっている人”だと誤解されることから、近年では世界的にME/CFSと呼ばれるようになりました。コロナ感染者の10％が後遺症を患い、そのうち10％がME/CFSになるとすると、国内で30万人以上がME/CFSになると推測され、
　この病気は精神的なものだとか、怠けているとか言われがちだが、感染症にかかった後に起こることが多く、何らかの免疫異常が起きていると考えられています。

　海外の研究者は、コロナ後遺症の要因として、
　①残存したウイルスの一部による慢性的な炎症
　②自身の細胞や組織を攻撃する自己免疫反応
　③体内の細菌環境の変化や潜在していたウイルスの活性化
　など、免疫に関わる異常の可能性を指摘しています。

漢方薬の処方で　7割が改善するとも

　伴氏によると、後遺症の診療では、まずは検査などで、鉄分の不足や精神疾患など、原因がはっきりしている病気を除外します。症状がすぐに回復しないことに対する、患者の不安や抑うつ気分を和らげることが大切だといいます。
　体調の回復が感じられた時に、日常活動をやり過ぎないことが重要ですが、逆に活動を止めてしまうのも問題です。「迷惑をかけてきたと考えて、遅れを取り戻そうと過活動になりがちに。また、段階的に復帰を目指せる職場の配慮が望ましい」と話します。
　ME/CFSには確立した治療法はなく、脳の炎症を抑える薬剤の投与や、頭を磁気で刺激する方法など、さまざまな治療が試みられているのが現状です。伴氏の経験では、漢方薬の処方で、約7割の患者に症状の改善がみられるといいます。


愛知医科大学医学教育センターの伴信太郎特命教育教授

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