交通事故をはじめ、痛みを放置せず、一生使える体に整える整骨院
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40歳を過ぎると衰えやすい器官の一つが「腸」です。
その影響で、便秘や下痢などになる人も少なくありません。
冷えが便秘の因に
暑い夏が終わり、あっという間に秋が過ぎ寒い冬になると、体が急激な気温低下についていけず、便秘になる人が増えます。原因は腸の冷え。
私は「10度の法則」と呼んでいますが、例えば室内と外の温度差が10度を超えると、寒暖差で腸が冷えて動きが悪くなり、便秘などを起こしやすくなるのです。
一般的に体の冷えは、気温や服装、食習慣などによって起こる血行不良の状態。栄養素が全身に回りにくくなったり、細胞の働きが低下したりすることがあり、腸の冷えにつながります。当クリニックの「便秘外来」も冬になると患者が増加。要因には気候や暖房利用による温度差などがありますが、食習慣の乱れの人も少なくありません。
中には“便秘は、病気ではない”と軽く考えている人もいます。でも長年、腸を専門に診てきた私は、腸の不調を訴える人の増加と、大腸がんで亡くなる日本人の増加は、関連があると思っています。“たかが便秘、されど便秘”――大きな病気を未然に防ぐためにも、日頃から腸を温め元気にする習慣を取り入れることをお勧めします。
停滞腸かチェック
まずは、自分の“腸の冷え度”を確認しましょう。
□下半身や足先、手先などが冷えやすい
□湯船にあまり漬からず、入浴はシャワーだけが多い
□腕や足、おなかを露出する服を着ることが多い
□車や電車で移動することが多く、あまり歩かない
□運動や体を動かすことがあまり好きではない
□朝は食欲がなく、朝食を抜くか、飲み物だけが多い
□昼と夜や、部屋ごとの温度差が激しいと体調が悪い
□おなかが冷えると腹部の張りや便秘になりやすい
□夏は冷房の効いた所にいることが多く、手足が冷たい
□ビール等の冷えたお酒が好きで、ほぼ毎日飲む
――該当する項目数ごとの評価は次の通りです。
①0~1個は、腸の冷え対策はバッチリ!
②2~4個は、自覚症状がなくても腸が冷え始めている
③5~7個は、危険信号。かなり腸の冷えが進んでいる
④8~10個は、腸だけでなく、体も相当冷えきっている
オリーブ油で保温
人は40代になると、大腸の機能(弾力性)は20代の頃に比べて70%程度になるといわれます。年を重ねると大腸が老化するのは自然なことですが、若い頃と同じように食事量が多いと、腸へのストレス(負担)になり、病の発症につながりかねません。
腸は、消化・吸収・排せつだけでなく、免疫にも関わる器官なので、腸の健康を守ると病気の予防に効果的です。腸を温めて元気にするには、運動のほか入浴や睡眠などの生活習慣も大切ですが、最も重要なのは「食事」です。
近年、流行の“健康食”を取り過ぎたり、間違ったダイエット方法を続けたりして、大腸を悪化させてしまった人を何人も診てきました。思い込みによる“健康常識”は、特に要注意です。
例えば「ヨーグルトは腸にいい」といったものも同様。ヨーグルトに含まれる乳酸菌は整腸作用があり、確かに軽い便秘の解消には効果があります。ただ、当クリニックに通うような重症の便秘の人には、漬物などの発酵食の方が高い効果を期待できます。
なぜなら、ヨーグルト等の動物性乳酸菌よりも発酵食の植物性乳酸菌の方が、生きたまま大腸の奥まで届きやすいから。一口に乳酸菌といっても2種類あるのです。
また、食物繊維にも不溶性と水溶性の2種類あります。不溶性食物繊維は水に溶けにくく、腸内の水分を吸収して便のカサを増しますが、取り過ぎると便が硬くなり便秘の原因になることも。腸でゼリー状になる水溶性食物繊維と一緒に取ることが重要です。不溶性と水溶性の理想のバランスは「2対1」です。
腸の温めに私がお勧めする“最強の食材”は地中海地域で摂取量の多い、エキストラバージンオリーブ油。保温力が高く、温かい飲み物に加えると腸の冷えを防ぎます。
さらに抗酸化作用も強いので、大腸がんの予防効果も。納豆や湯豆腐などにかけても意外とおいしく、伝統的な和食に組み合わせた“地中海式和食”を勧めています。
排便に重要な、大腸が最も活発に動く「大ぜん動」は、朝に起きます。朝食はしっかり食べ、便意が訪れたらトイレに行ける、時間的な余裕も大切といえるでしょう。
松生クリニック 院長 松生恒夫さん